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独占インタビュー:『START WITH WHY』著者 サイモン・シネック氏に聞く、 パーパスがもたらす個人の活躍と組織の活性化

更新日:9月29日

ベストセラー作家であり、アントレプレナーのサイモン・シネック氏の単独インタビューをSMO刊行の TOKYO2019上にて掲載しましたが、今回、弊社CEO齊藤三希子の著書『PURPOSE BRANDING 〜 「何をやるか?」ではなく、「なぜやるか?」から考える』出版を記念し、当著書に多大なるインスピレーションをくれたこちらの記事を特集して再掲載いたします。


(インタビュー:SMO ジャスティン・リー )





SMO: TEDのトークイベントでゴールデンサークル(※) の話をされました。 偉大なリーダーたちが、この順序を逆にすることができた違いは何なのでしょうか?


サイモン:それは、彼らが自分たちの「Why = Purpose 存在する意義」について明確な答えを持っているということです。自分たちはどんな信念を持っているか、自らの存在理由とはなにか、生きがい(Ikigai)とはなにか、それらを理解し、常にそれに基づいて考え、行動し、コミュニケーションする能力を持っているのです。実はそれだけのことであり、他の人々とそれほど違ったことはないのです。我々はみな、彼らと同じように、考え、行動し、コミュニケーションすることで、人をインスパイアする能力を持っているのです。そのためには、自らの「Why」(※ ゴールデンサークル理論)を追求しなければなりません。自分が何を信じているのかをしっかり理解しなければ、突出した存在にはなり得ないのです。


※ 2009年のTEDトークイベント「How Great Leaders Inspire Action(優れたリーダーはどうやって行動を促すのか)」で提唱した理論。「なにを」ではなく「なぜ」を示したときに人は動くという考え。人は具体的なものを優先させ、抽象的なものは後回しにしがちなため、思考、行動、コミュニケーションにおいても「何を(What)」「どうやるか(How)」の順に、円の外側からスタートするが「なぜ(Why)」と問われれば言葉に詰まる。その一方、マーチン・ルーサー・キングやアップル社といった優れたリーダーや組織はそれを逆に円の内側から行っており、なぜそれをするのかという本質的な問いである“Why”から物事をスタートすることで、多くの人々の心を動かすことが出来たとしている。


SMO昨年BlackRock社のCEOが「A Sense of Purpose」と題して“企業はさらに高い志のパーパスを掲げていく必要性がある” という書簡を投資先に送りました。また、ファッション業界でも今年の影響力のあるトレンドとしてパーパスを挙げています。パーパスの重要性は分野を超えて広まっているように感じますが、なぜここまで重要視されているのでしょうか?

本物が何か問い直し、本物を追求する時代がきている。

サイモン:まず言えるのは、本物を求める潮流です。本物であるというのは、自身が何かを信じた上での発言や、信じたうえでの行動からのみ言えることで、そこにパーパスが存在するのです。前向きで、正しく、良いものを信じ、常にその信念を証明しようとすることで、自分が誰なのか、何のためにいるのかが明確になり、そこに信頼が生まれます。誰もが本物の組織やリーダーのもとで働きたいと考え、本物のブランドからモノを買いたいと思っています。本物とは信頼あってこそ生まれるものであり、そこからロイヤリティが生まれてくるのです。次に言えるのは、ミレニアルが労働人口のメインとなり、さらにZ世代も加わろうとしていることです。ミレニアルは、グローバルとローカル、それぞれのニュースが同時に入ってくるようになった時代の人々で、情報に通じていて、気づきも多く、小さい頃から周囲の人々、さらに言えば世界全体に、良いことをしようという思いを強く持っています。そのため、いまの世の中の働く人や消費者の多くは、パーパスを実行する組織を好むのです。また、この世代の若者はテクノロジーに囲まれた環境で育っています。スマホをいじればやりたいことが満たされ、即時にして満足感を得られてしまう。タクシーを呼んだりフードデリバリーを頼んだりするのにはそれで良いのでしょうが、人生やキャリアにおける充足感に関しては、それを満たすアプリはありません。経営陣や組織には、従業員がそこに所属しているという繋がりやアイデンティティー、そしてパーパスを意識できる職場をつくる必要が出てきます。単に仕事をする場所を提供するのでなく、その仕事の意義を明確にすることが、従業員にモチベーションやロイヤリティをもたらします。パーパスが明確であれば自分が属するべき場所、自分が活躍できる場所が明確になります。そして個人が活躍することで、組織も活性化されるのです。


SMO:新著書「The Infinite Game 」がどんな本になるのか教えてください。また前回の著書「Start with Why」とはどのようにつながっていますか?


サイモン:「終わりのない戦いをどう勝つのか?」これが次の本「The Infinite Game」のテーマです。この戦いの攻略法を組織的見解 および地政学的見解から書いています。“終わりのない戦いのコンセプト”を取り入れることは、組織をより良くしたいと思っているリーダーにとって必須条件だと考えます。不確実でプレッシャーと競争の多い現在の世の中で、どうやって過去の2冊の 著書「Start With Why」と「Leaders Eat Last」のコンセプトを実用化させるかを説いています。


SMO:日本のリーダーたちに向けて本当の変化を成し遂げるためのアドバイスをいただけますか?

サイモン:ガンジーは「世界を変えたいなら、まず自分が変わりなさい」と言いましたが、それを実現するには、まず自分たちが成し遂げたい変化とは何かを明確にする必要があります。あなたが解決しようとしている人類の問題とはなにか、なぜそれを解決しようとしているのかを見つけることです。それこそがビジネスの本当のパーパスです。商品を作ったり、利益を出したりすることはパーパスではなく、あくまで結果です。組織を車とすると、お金はガソリンです。ガソリンがなければ車は走りません。でも車を走らせる目的はガソリンを手に入れることではありません。車はどこかに行くためのものであり、それが行く価値のある冒険か、価値あるドライブであるかどうかが重要です。組織や人生のパーパスは、やりがいのある成果を達成し、社会に貢献することにあるはずです。変化を起こし、それを持続的なものにするためには、リーダーは人々をやりがいのある場所に導かなければなりません。従業員たちは、組織が導く行き先を信じることができ、そして組織の信念に本気を感じるならば、組織に尽くしてくれるはずです。さらに言えば、彼らは、組織のためではなく、自分たちの達成感や誇りのためにそれを行うのです。



Simon Sinek / サイモン・シネック

明るい未来とそれを創生する力を信じる確固たる楽観主義者。世界で優れた影響を与え続ける組織や人々に魅了され、彼らの思考・行動・コミュニケーションと、彼らが作り出す環境には共通項があることを研究。 この考えを組織やリーダー層に広め、彼らがアクションを起こせるべく活動している。2009年彼が「WHY」について語ったTEDトークは47言語に訳され、その再生回数は4,000万回を超えTed.com内での視聴回数ランキング3位に。

彼のビジネスやリーダーシップの概念は、型にはまらず革新的で国際的にも反響を得ており、アメリカン航空、ディズニー、さらには国連、米国議会、米国空軍や海軍など

あらゆる業界のリーダー層に招かれている。